もどる

    かけはし2021年3月22日号

福島原発事故から10年


3.11

東電は責任を取れ!

650人が抗議の訴え

 2011年3月11日の東日本大震災による、東京電力福島原発事故からまる10年が経った。その惨害の影響は10年経った今も、人びとの生活、健康に甚大な被害を与え続けている。すべては国と電力資本が一体となった原発開発政策がもたらした取り返しのつかない犯罪と言わなければならない。歴代自民党政権は、住民の犠牲の上に、原発の再稼働・さらなる増設をエネルギー政策の根幹に依然として位置づけている。
 この日、「フクシマを忘れない」を共通の思いとして「東京電力本店への抗議行動 事故から10年 東京電力は福島第一原発事故の責任を取れ 第90回東京電力本店合同抗議」が行われた。行動には650人が参加した。この日の集会では、東京電力柏崎刈羽原発に反対する現地の人びとも参加した。

一人ひとりが
新しい歴史を


「多摩川太鼓」の勇壮な演奏で幕を開けたこの日の集会は、3月とはいえ寒風が吹きすさぶ中で「事故がなければ高校の卒業式を迎えるはずだった」と語る福島出身の若者の発言から始まった。
作家の鎌田慧さんは、「原発再稼働には80%以上の人びとが反対と言っている。そんな原発をどうして動かそうというのか」と怒りをこめて東電の対応を批判した。落合恵子さんは「『原子力』と『平和』をくっつけるほどめちゃくちゃな話はない。私は偉い人しか出てこない『歴史』なるものが大嫌いだったが、今は違う。一人ひとりが新しい歴史をつくる主人公だ」と強調した。
発言はさらに東海第2原発に反対する茨城県現地の住民、たんぽぽ舎共同代表の山崎久隆さん、原発被ばく労災あらかぶさん裁判当該、原発事故が動物たちにもたらした被害の問題を訴える「肉球新党」と発言が続く。ピースサイクル呼びかけ人の吉野信次さんは、反原発とともに沖縄の人びとと連帯した行動を作り出すことの重要性を強調した。
コロナ危機の中で迎えた、今年の「3・11」東電前抗議行動は、あらためて原発のない日本、アジア、世界に向けて、原発被害者とともに闘う思いを強くする日となった。   (K)


もどる

Back